リロケーションとは
転勤などの理由で一時的に長期留守にする自宅を、期間限定で賃貸に出すことを「リロケーション」と言います。リロケーション会社に賃貸借契約や入居者対応などの管理を委託することで、手間なく家賃収入が得られる画期的な空家活用法です。
ここではマンションを貸したい時にどのような方法があるのかを紹介。またリロケーションをする際の会社選びのポイントを説明しています。
マンションを貸したい時には一体どのような方法があるのでしょうか。おそらく不動産会社に仲介をお願いして入居者を募集してもらうと考えるのが一般的でしょう。
ただ不動産会社を通じて賃貸に出すと言っても、契約形態はさまざまです。これからマンションを貸そうと考えている場合は、その違いについて知っておく必要があります。
まずは取引態様の違いです。賃貸物件を斡旋する不動産会社に対する依頼内容によって、「貸主」「代理」「媒介」という3つの取引態様があります。
次に賃貸借契約の違いです。一般的にはマンションの貸主と借主の間で普通借家契約が結ばれます。契約期間は1年以上(2年のケースが多い)で借主が継続して住むことを希望すれば自動更新され、正当な理由がない限り貸主からの解約や更新の拒絶をすることはできません。
これに対し期間が限定された定期借家契約というものがあります。これはあらかじめ期限を定めておいて契約満了時には借主は物件を明け渡さなければならない契約で、普通借家契約のように更新されることはありません。
つまりマンションを貸す時に今後その物件に住み続ける意思がなく、永続的に賃料収入を得たいという場合は普通借家契約でよいですが、将来そこに住むことを希望していて一定期間だけ貸し出したい場合は定期借家契約が向いていると言えます。
すでに説明した通り転勤や海外赴任などで一時的にマンションを留守にする間だけ賃貸に出したいという場合は間違いなく定期借家契約を選択すべきでしょう。
ただし、物件オーナーとして定期借家契約をするだけでは不安が残ります。家賃の滞納が発生したり、設備が壊れた時の対処や入居者からのクレーム対応をしなければならないのでは、転勤後に仕事どころではなくなってしまうからです。
そこで最近注目されているのが、不動産会社や管理会社が行なっているリロケーションサービスです。なぜなら多種ある賃貸方法や契約形態のいいとこ取りをしたような内容になっているからです。
リロケーションサービスは、転勤などで一定期間自宅を空ける人を対象にしているので、定期借家契約が大前提となっています。
また入居者募集や審査、賃貸契約などの仲介業務が含まれているだけでなく、入居者が決まった後もクレーム・トラブル対応、明け渡し手続きなどの管理業務も行なってもらえます。
さらに、サブリース形式でサービスを提供している会社の場合、家賃滞納保証が付いていたり、ある程度の設備修繕は無料で行うなどオーナーのリスクや負担を軽減する仕組みが用意されています。
マンションを貸したい人にとってはメリットの多いリロケーションですが、注意すべき点もあります。それはリロケーション会社によって力の差があることです。
見た目のサービス内容は似通っていても、期待した結果が得られないこともありますので慎重に会社選びをする必要があります。
リロケーション会社を選ぶ際は見積をとって料金を比較することも大切ですが、会社の体制やサービス内容をしっかり確認する必要があります。以下の点に注意して信頼できるかどうかを判断するようにしてください。
リロケーションには家賃滞納や入居者が契約終了後も出て行かないなど、さまざまなリスクがあります。そうしたリスクをカバーする制度やサービスが用意されているかどうかで、オーナーとしての安心感はかなり違ったものになります。
借り手がつきやすいとは、その会社に客付け力があるということです。客付け力を判断するためには入居者募集方法に注目します。入居者が見込まれる取引先を多く抱えているなど、独自のルートを持っているかどうかがポイントです。
数多くのリロケーション実績がある会社は、それだけノウハウの蓄積があるのでサービスが充実しています。借主とトラブルになった場合も迅速に対応できたり、クレームにならないよう管理が行き届いていることが多いようです。