リロケーションとは
転勤などの理由で一時的に長期留守にする自宅を、期間限定で賃貸に出すことを「リロケーション」と言います。リロケーション会社に賃貸借契約や入居者対応などの管理を委託することで、手間なく家賃収入が得られる画期的な空家活用法です。
リロケーションに限らず、もっとも人口が多く賃貸物件の数もけた違いに多い東京では、リロケーションとして物件を貸し出したい人もいれば、ある期間だけ借りたいという人もたくさんいます。
特に、2年や4年単位で賃貸物件を借りたい人といえば、大学や専門学校などで上京してくる学生さんです。東京都内には大学や専門学校の数も非常に多く、学校に通う期間だけ上京して住む部屋を探している地方出身者が集中します。
そのため、ある期間だけ賃貸に出して、その期間が終われば確実に返してもらえるので、リロケーション物件は貸したい人・借りたい人双方にとってメリットのある物件となります。
社会人の場合は、定期的に引っ越しをする人はあまりいないので、定期借家などは敬遠されがちで、空き室となるリスクが高まります。しかし、学生さんの需要が高い東京なら、家賃を安めに設定すれば3月4月の繁忙期ならすぐに借り手が見つかるでしょう。
親が保証人となってくれるので、家賃が回収できないという心配もありません。
東京に物件をお持ちでリロケーションを利用したいという人は、すぐにでもリロケーション会社に相談してみることをおすすめします。
ただ、学生さん向きなのはワンルームなどの一人暮らし用の部屋なので、部屋数の多いファミリータイプや一軒家はあまり向いていません。その場合でも、東京なら転勤や仮住まいなどで家族で引っ越してくる可能性があるので、やはりほかの地域と比べてチャンスは多めと言えるでしょう。
また、都内には管理会社やリロケーションの専門会社もたくさんあるので、管理を依頼する会社に困ることもありません。
ある大手の不動産サイトで定期借家の件数を調査してみたところ、東京23区都市部における賃貸物件の総数16万件ほどに対し、定期借家が条件となっている物件は5,666件ほどありました。割合で言うと、3.5%ほどになります。
神奈川は東京に隣接する首都圏の一部で、東京に次いで人気のエリアで繁華街も多く、若者が多く住んでいる地域です。神奈川自体にも大学や専門学校はたくさんありますので、2年間や4年間などの期間限定で済む部屋を探している学生さんが多く、リロケーションが活発なエリアです。
また、東京よりは家賃が安くなるので、都内に通いたいけれど家賃を抑えたいという人がたくさん神奈川に流れてくるので、賃貸市場としては非常に活発です。ただ、神奈川でも海側だったり静岡よりだったりすると、都内に出るのは遠くなるので、やはり横浜や川崎、また田園都市線や小田急線などの都内に出やすい沿線沿いの物件が人気となります。
また、神奈川では一戸建てのリロケーション物件も豊富ですが、その家賃相場は比較的安く、3LDKなどのファミリータイプでも、10万円以下の家賃のものがゴロゴロあります。やはり、定期借家ではファミリー層の借り手はつきにくいことは否めません。空き家のままにするよりは安くても借り手がついたほうが良いので、家賃は低めに設定するのが無難でしょう。
ある大手の不動産サイトで定期借家の件数を調査してみたところ、神奈川県内における賃貸物件の総数8.7万件ほどに対し、定期借家が条件となっている物件は2,859件ほどありました。割合で言うと、3.3%ほどになります。
東京ほどではありませんが、人口が多く、大学や専門学校などに通う若者が集まりやすいので、2年間の定期借家でも物件を借りたいという人が多く、空室になるリスクを減らすことができるでしょう。
大阪にはリロケーション・インターナショナルなどの専門業者が集まっていますので、リロケーションの物件が非常に豊富で、管理も依頼しやすくなっています。物件数が多いということは、ライバルが多いということでもありますが、その分、そういった文化が浸透しているということでもあるので、借り手は見つかりやすいでしょう。
賃貸に出さない場合でも、管理会社でメンテナンスをしてもらえれば、住宅の質を落とすことなく維持できます。
また、大阪は多くの企業が密集していることから、各地から転勤や長期出張で訪れるビジネスマンも多数います。そういった人のためにも、定期借家やリロケーション物件は適しており、非常に需要が高まっています。ビジネス街や駅の近くなら、企業が定期的に賃貸して社宅として利用される可能性もあるので、立地条件の良い物件は積極的にリロケーションに出すといいでしょう。
ある大手の不動産サイトで定期借家の件数を調査してみたところ、大阪府内における賃貸物件の総数10.3万件ほどに対し、定期借家が条件となっている物件は695件ほどありました。割合で言うと、0.7%ほどになります。
非常に面積が広い北海道では、賃貸物件もほかのエリアとは探し方が異なります。北海道の中でも中心部に位置していて、もっとも都会の札幌に物件や人口が集まっているので、リロケーション物件も豊富にあります。
また、札幌市内にはリロケーションの専門業者も多数あり、管理会社に困ることもないでしょう。
北海道にも大学はたくさんありますので、一定期間だけ住む部屋を探している若者は集まりやすくなっています。
また、牧場などに働きに来る人や、北海道にある支社に転勤になった人など仕事で一定期間訪れる人も多いため、定期借家やリロケーション物件の需要も高いと言えます。
札幌を始めとして、北海道は寒さや大雪が厳しいので、間取りや立地だけでなく、暖房設備などの機能面が整っていないと、条件から外れてしまう可能性があります。なるべく借り手がつきやすくするためには、暖房機能を整える、断熱性が優れているか確認する、石油やストーブは使えるかどうかなどの条件を見直してみるといいでしょう。
ある大手の不動産サイトで定期借家の件数を調査してみたところ、札幌市内における賃貸物件の総数3.4万件ほどに対し、定期借家が条件となっている物件は128件ほどありました。割合で言うと、0.37%ほどになります。
九州の中でももっとも人口が多く、都会である福岡。さまざまなジャンルの大学や専門学校が集まっているので、近隣の県から進学を機にやってくる若者が多く、若者に人気のショッピングモールや繁華街も賑わっていて、学生向けの賃貸物件も非常に豊富です。
また、工業も盛んで、多くの大企業が軒を連ねているので、転勤や単身赴任、出張などで長期的に訪れるビジネスマンも少なくありません。そのため、定期借家やリロケーション物件の需要は高く、大阪や札幌などの地域と比べてもその割合は高めです。
リロケーション専門の管理会社や不動産会社もたくさんあり、賃貸の代行依頼のほか、留守中の管理やメンテナンスなどを依頼するのにも困りません。
ある大手の不動産サイトで定期借家の件数を調査してみたところ、福岡県内における賃貸物件の総数4.8万件ほどに対し、定期借家が条件となっている物件は532件ほどありました。割合で言うと、1.1%ほどになります。