個人でリロケーションは可能か？

このページでは、リロケーションを個人で行う際のメリットやデメリット、心構えについて説明しています。

個人でもリロケーションは可能

他人に家やマンションを貸して家賃をもらうのに、特別必要な資格はありません。よって、個人でリロケーションを行うことは可能です。

ただし、個人でのリロケーションは良い点もある反面、デメリットも存在します。双方を理解した上で慎重に検討するようにしましょう。

そもそもリロケーションとは？

メリット・デメリット

家賃収入のほとんどが自分のものになる

個人でのリロケーションとは、賃貸に関する一切の手続きを個人で完結するということ。つまり、通常なら発生する管理会社や不動産会社への手数料や委託料を支払わずに済みます。

管理業務も委託せず個人で行うのであれば、家賃はもちろん、入居者から支払われた管理費なども引かれないため、家賃収入のほとんどを自分で得られるようになります。

賃貸経営について知識が身についている方なら、委託で対応してもらうよりも楽という場合があるかもしれません。

管理会社が行っている業務を自身でやる必要が出てくる

不動産会社を通さずに契約すると、家賃の回収はもちろん、不動産賃貸契約の締結や入居者へのトラブル対応、退去時の業務などが発生します。

第一に貸主の募集も自分で行わなくてはならないため、借り手が見つかっていない場合には入居者探しから行う必要があります。

リロケーションは一時的な貸出ですので、ある時期になれば退去してもらわなくてはなりません。そのために厳しい入居条件を設けることになり、条件に合った借主を探すのは容易ではないでしょう。

また、家賃の支払いが滞ってしまった際の催促や不具合が起きた設備のメンテナンス手配、退去時の原状回復で入居者にどこまで費用負担を負ってもらうかなど、入居者との細かな交渉まで自分で行う必要があります。

家を貸すときに発生する費用

家を貸す際には、いくつかの費用が発生します。

新しい入居者を見つけるために不動産会社に依頼する場合、広告費用がかかります。広告費用は通常、入居者が決まるまで発生し続け、状況によっては想定している以上の費用になることも。自身で広告を出したり人づてに入居者を探したりすることで費用は抑えられますが、時間や手間といった負担は大きくなります。

建物や設備が長年の使用で劣化している場合、修繕費用が必要となります。例えば、エアコンや給湯器の故障などは、貸主の責任で修理する必要があることが多いため、事前に考慮しておくべきです。

また、借主が退去した後は家を元の状態に戻すための原状回復費用が発生します。原状回復には壁紙の貼り替えや床の修繕、場合によっては設備の交換などが含まれるため、事前に見積もりを取っておくことが重要です。

万が一のトラブルに備えるために、保険料も忘れてはなりません。火災保険や賠償責任保険に加入することで、万が一の際に大きな経済的リスクを軽減できます。これらの費用を事前にしっかりと把握し、適切に管理することが、予想外の出費を避け、賃貸経営を成功させるための鍵となります。

個人でリロケーションを行う前にやっておくこと

個人でリロケーションを行う場合、事前の準備が成功の鍵を握ります。まず、賃貸契約書の内容を詳細に確認し、特に契約期間や退去時の条件を明確にすること。理由としては、契約終了時におけるトラブルを未然に防ぐ必要があるためです。

特に入居者の選定には慎重を期すべきで、信頼できる入居者を見つけることが安定した賃貸経営につながります。安定して家賃を払ってもらえる状態かを確認するための信用調査を行うことで、家賃の滞納リスク低減が可能です。また、リロケーションに関連する税金や法律についても十分に理解しておきましょう。所得税や住民税におけるリロケーションでの影響を考慮し、必要な手続きを早めに行うことが求められます。

リロケーションを進めるにあたって、地域の賃貸市場の動向を把握し、適切な賃料設定や物件の魅力を高めるための工夫を行うと、入居を検討しているユーザーを呼び込みやすくなります。例えば、物件の設備を最新のものに更新する、内装をリフォームするといった付加価値をつけることで、より魅力的な物件としてアピールできます。

事前準備を怠ると、思わぬ問題やトラブルに直面する可能性があるため、リロケーションを成功させるためには慎重な計画と準備が必要です。

専門会社に依頼するのがベター

賃貸では定期的な管理やメンテナンスのほかにも、早急な解決が求められるトラブルなど、大家を専業にしていなければ対応が難しい場面もあります。

遠方への長期出張や単身赴任など、本業をしながらリロケーションを考えている方は、現実的に考えて個人での対応は難しいかもしれません。

ある程度の管理費はかかりますが、手間や時間を省きつつ一定の収入を手にするためにも、賃貸業務の一部を業者に任せる委託管理やリロケーション専門業者を頼ってみるのもひとつの手です。